趣味の盆蚕

「しゅみのぼんかいこ」とは、盆栽を楽しむように小規模に養蚕を楽しむという意味で、ブログ筆者の造語です。略称は「ぼんさん」

2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

お蚕はどのくらい餌を食べるのか

これは難しい問題です。検索などして資料をあたっても数字はまちまちだし、何グラムとか言われたって、実際どんな分量なのか想像できなくて当たり前。毎日食べてるご飯だって、お茶わん一杯で何グラムなのか即答できる人は少ないでしょう? それが桑ならなお…

繭をあけて中の様子をみてみよう

お蚕は、まず粗く糸を張りめぐらします。それから、粗い糸の中に繭を作りはじめます。十分に繭が厚くなると、中で脱皮して蛹になります。 簇(まぶし)からはずしてみました。繭のまわりの粗い糸は毳(けば)と呼ばれていて、これがついたままではうまく糸を…

ぐんま黄金の二代目はどんな色の繭を作るか

同じ品種のお蚕どうしを交尾させても、同じ性質の子供ができるとは限らないというのは前に書きました。 この記事です http://okaiko.hatenablog.com/entry/2013/06/17/113437 今育てているのは「ぐんま黄金」という品種同士を交尾させて生まれてきた二代目で…

ずぅ(繭になる直前のお蚕)はこんな感じ

桑を食べるのをやめ、糸を吐き始めたお蚕に光をあててみました。この透けているところに絹糸腺(けんしせん)というのがあって糸のもとになります。 絹糸腺そのものは生まれた時からあるはずですが、四度目の脱皮のあとで急速に発達するようです。最終的には…

上蔟:今回はトイレットペーパーの芯で

上蔟(じょうぞく)は、繭をつくるための足場にお蚕さんをたけてやることです。その足場のことを「簇」と言って、音読みでは「ぞく」で訓読みでは「まぶし」などです。地方により少し呼び方が違うかもしれません。 蔟はどんな形でもよくて、お蚕さんが自分の…

お蚕さんの体の構造

頭 いちばん先端にあるダンゴっ鼻のようなものが頭です。 眼状紋(がんじょうもん) ここが顔に見えるので、頭だと思っている人が多いのですが、ただの模様です。お蚕さんは危険を感じると眼状紋が目立つように体をきゅーっと縮めます。生きものはにらまれる…

形蚕と姫蚕

一口にお蚕さんと言っても、よく見ると模様に個体差があったりするものです。上の写真では右のお蚕には目のような模様(眼状紋)がありますが、左のにはありません。どちらも同じ親から生まれてきました。 眼状紋がある蚕のことを形蚕(かたこ)、ないほうを…

最後の脱皮が済みました

▲6月13日 四度目の脱皮が終わりました。 ▲脱皮殻です。 お蚕の世話はこれからが本番です。最後の脱皮を終えてからは餌を爆発的に食べるようになるし、病気が出やすいのもここからです。

そろそろ庭の休みです

更新をさぼっている間に次の脱皮がはじまりそうです。四度目の脱皮は「庭の休み」とか「庭の眠り」とか言われています。前の脱皮から5日くらいたっていますし、よく見ると食べ残しの桑に細い糸がついています。桑をやればまだ食べますが、食べる量はぐっと減…

三度目の脱皮が終わったみたい

三度目は舟の休みという名前がついてます。読み方は地方によって違うかもしれないけど「ふなのやすみ」ですかねー。休みというのは脱皮の時にお蚕さんたちが食べるのをやめて動かなくなるからなんですけど、その間餌をやる必要がなくなるので世話をする人た…

今日のお蚕

育ってます。 この砂みたいなものはお蚕の糞です。 江戸時代の養蚕書を読むと、お蚕の世話をする人のことを蚕母(さんぼ)と呼んでいます。女性の仕事だったからでしょう。そういえば祖母の家でも祖父は一番忙しい時期の桑取りを手伝うくらいで、ほかのこと…

富岡日記

『富岡日記』は長野県松代の旧藩士の家に生まれた著者が群馬県の富岡製糸に女工として入場し技術の習得につとめた日々をまとめた手記です。この時著者は十六歳でした。 富岡製糸というと『あゝ野麦峠』のような話が有名なので、少女たちが命を削りながら劣悪…

那須絹のはじめ(栃木県)

欽明天皇の御代に、常陸国(茨城県)豊浦の港に権太夫吉林という男がいた。沖で釣りをしていると、美しい姫君が流木に捕まって流れていた。姫には日本語が通じず、隣村の僧侶が梵字を書いて名をたずねたところ、天竺の鱗意大王の娘で金色姫と名乗ったという…

たかの休み(二回目の脱皮)

そろそろ二度目の脱皮です。たかの休みというやつです。「たか」は鷹という漢字をあてたり、竹と言ったりもします。群馬では竹箒を「たかぼうき」と発音する人がいたし、竹休みと書いても「たかやすみ」と発音したかもしれません。http://okaiko.hatenablog.…

今朝のお蚕さん

体長が10mmちょっとになりました。お蚕さんと書いて「おこさん」と読む地方もありますが、わたしのおばあちゃんは「おかいこさん」と呼んでいました。