お蚕に寄生するハエ
あー、羽化させるためにとってあったお蚕が蛆(うじ)になってしまった…たぶん桑の葉に卵がついてたんだろうなあ。この蛆はハエになるはずです。正確な種類まではわからないけど、カイコに寄生するハエがいます。 pic.twitter.com/Pk20aCHC7s
— chinjuh/『化物箱根の先』Kindleで販売中! (@chinjuh) 2021年6月22日
蛆の歩き方。せっかくだから動画で(笑)
— chinjuh/『化物箱根の先』Kindleで販売中! (@chinjuh) 2021年6月22日
外からとってきクワコ(お蚕の仲間というか原種と言われている野生の虫)が蛆になってしまったことはあるけど、お蚕では初めてだなあ。 pic.twitter.com/8t3mdjasQs
わたしが育てたお蚕を食い散らかしたウジ氏は、けっこうな勢いで這っていこうとするので、乗り越えられない深さの容器に入れておきました。今朝見たら蛹になってた。
— chinjuh/『化物箱根の先』Kindleで販売中! (@chinjuh) 2021年6月23日
後ろの俵型の物体Xが蛹で、手前にあるのは脱皮がらです。 pic.twitter.com/VOkIVEobf9
お蚕に寄生するハエはカイコノウジバエと言うそうです。本当にそれ一種類しかいないのか、わたしにはちょっとわからないんですが、ここではそれだということにしておきます。
カイコノウジバエは春に現れて桑の葉に卵を産むそうです。それを芋虫や毛虫が葉っぱごと食べると、腹の中で卵が孵化して蛆(うじ)になります。お蚕だけでなくアメリカシロヒトリなども桑の葉を食べるので寄生されるそうです。
蛆は宿主が蛹になると腹から出てきます。お蚕の場合だと蛹は繭の中にありますから、その繭を食い破って外に出て蛆も蛹になります。繭は穴を空けられてしまっているので普通の方法では糸にならず、商品価値がなくなります。
このように蛆に寄生されてしまうのを「蠁蛆病(きょうそびょう)」と言うそうです。蠁も蛆もハエの幼虫のことです。蚕の腹から出たハエは蛹のまま越冬して春に羽化するそうで、春蚕の病気として知られているとか。
ってことはカイコノウジバエは一化性で年に一度しか発生しないんですね? ちょっと意外だなあ。ハエなど気温が高ければ何度でも発生するんじゃないかと勝手に思っていました。
以前、外から拾ってきたクワゴ(クワコ、野生の蚕)から蛆が出てきたことがあり、その時は羽化させて写真も撮ったような気がしていたのですが、残念なことにみつかりませんでした。今年の蛆もとっておいてみようと思いますが、羽化が来年だと忘れて捨ててしまいそうです。
参考資料は下記の文書です(PDF形式)。大日本蚕糸会のサイトにある資料らしいです。ちょっと前までお蚕の病気など一般のわたしたちが見られる資料が少なかったんですが、今はこういったものがネットにもアップロードされてとても助かりますね。
http://www.silk.or.jp/silk_gijyutu/pdf/8-6setsu.pdf