趣味の盆蚕

「しゅみのぼんかいこ」とは、盆栽を楽しむように小規模に養蚕を楽しむという意味で、ブログ筆者の造語です。略称は「ぼんさん」

お蚕に寄生するハエ

 お蚕に寄生するハエはカイコノウジバエと言うそうです。本当にそれ一種類しかいないのか、わたしにはちょっとわからないんですが、ここではそれだということにしておきます。

 カイコノウジバエは春に現れて桑の葉に卵を産むそうです。それを芋虫や毛虫が葉っぱごと食べると、腹の中で卵が孵化して蛆(うじ)になります。お蚕だけでなくアメリカシロヒトリなども桑の葉を食べるので寄生されるそうです。

 蛆は宿主が蛹になると腹から出てきます。お蚕の場合だと蛹は繭の中にありますから、その繭を食い破って外に出て蛆も蛹になります。繭は穴を空けられてしまっているので普通の方法では糸にならず、商品価値がなくなります。

 このように蛆に寄生されてしまうのを「蠁蛆病(きょうそびょう)」と言うそうです。蠁も蛆もハエの幼虫のことです。蚕の腹から出たハエは蛹のまま越冬して春に羽化するそうで、春蚕の病気として知られているとか。

 ってことはカイコノウジバエは一化性で年に一度しか発生しないんですね? ちょっと意外だなあ。ハエなど気温が高ければ何度でも発生するんじゃないかと勝手に思っていました。

 以前、外から拾ってきたクワゴクワコ、野生の蚕)から蛆が出てきたことがあり、その時は羽化させて写真も撮ったような気がしていたのですが、残念なことにみつかりませんでした。今年の蛆もとっておいてみようと思いますが、羽化が来年だと忘れて捨ててしまいそうです。

 参考資料は下記の文書です(PDF形式)。大日本蚕糸会のサイトにある資料らしいです。ちょっと前までお蚕の病気など一般のわたしたちが見られる資料が少なかったんですが、今はこういったものがネットにもアップロードされてとても助かりますね。
http://www.silk.or.jp/silk_gijyutu/pdf/8-6setsu.pdf


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