趣味の盆蚕

「しゅみのぼんかいこ」とは、盆栽を楽しむように小規模に養蚕を楽しむという意味で、ブログ筆者の造語です。略称は「ぼんさん」

2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

衣笠姫(群馬県甘楽郡)

むかし衣笠姫という美しい娘がいた。実の母が病死すると、父は新しい妻を迎えることになった。 ところがこの人は心の悪い人だった。血のつながらぬ衣笠姫を憎み、厩(うまや)にとじこめてしまった。馬が暴れて姫を踏んづけたので、姫の背中には蹄の跡がつい…

蛹のオス・メス

お蚕の種(卵)を取るには、繭をあけて蛹に尻を見てオス・メスを見分ける必要があります。ものすごく大ざっぱに言うと、お尻がツルンとしており、小さな穴がぽつんとあるのがオス。中心に縦線が見えて線の上に縦長の穴が見えるのがメス、という感じです。 と…

卵の変化

今年のお蚕(元ぐんま黄金ちゃん)の卵です。こんなに必要ないのですが、観察用に沢山産ませてみました。産卵した日付と、親の繭の色をメモしてあります。 産卵直後の卵は、どれも黄白色というか、アイボリーというか、少し黄みがかった白です。 産卵から三…

糸できたー

50頭分の繭を1本の糸にして、2本どりにしてよりをかけたのを、さらに2本どりにして(つまり4本どりにして)よってみました。最初の2本はうまくいったと思うのですが、4本にするところでよりが甘すぎたようです。こういうのも味かなあとは思いますけど。精練…

精練したり、よりをかけたり…

前の記事では糸を綛(かせ)にするところまでやったんでしたっけね。 お蚕の糸はセリシンという物質に包まれていて、これが粘着するので繭の形になるんです。糸として利用するには、セリシンを取り除かないといけないんです。そうしないと絹独特のツヤが出な…

糸をつむぐ

人はなぜお蚕の世話をするのか。それは糸を取るためです。お蚕が作る繭は絹(きぬ)という糸になります。養蚕をするなら飼うだけでなく、糸を取って、その糸を利用するところまでやりたいものです。 ところが、ここから先が急に難しくなります。わたしは群馬…

メスは卵を産む、相手がいなくても

メスのお蚕は蛹のうちから腹に卵を持っています。繭から出てすぐにオスをみつけられればいいのですが、みつからなかった場合はひとりで卵を産みはじめます。この卵は無精卵なので孵化しません。

フェロモン

盆栽みたいにこぢんまり養蚕をたのしむ、なんて書いておきながら話がどんどん濃くなってるような気がする昨今です。まあ、写真だけでも見てってください。 上の写真はメスのお蚕です。成虫になるとこのようにお尻から黄色い袋を出します。ここにフェロモンと…

ふぞろいな繭たち/江戸時代の養蚕指南書にみえるお蚕の病気

元ぐんま黄金の繭です。トイレットペーパーの芯を蔟(まぶし)にすると形のいい繭が出来ますよ、などと前に書いたような気がしますが、ごらんの通りふぞろいでお恥ずかしい限りです。 大きいか小さいかは蔟の形によるかもしれませんが、よく見ると小さくて真…

羽化・交尾・割愛

6月30日、朝見たらこの状態でした。 お蚕の交尾は静かで情熱的です。こうして結合したまま翅をふるわせて、何時間もずっとつながっています。手でひきはがそうとしても、簡単にははなれないほど、固く結びついています。 半日くらいほうっておくと勝手に離れ…