形蚕と姫蚕
一口にお蚕さんと言っても、よく見ると模様に個体差があったりするものです。上の写真では右のお蚕には目のような模様(眼状紋)がありますが、左のにはありません。どちらも同じ親から生まれてきました。
眼状紋がある蚕のことを形蚕(かたこ)、ないほうを姫蚕(ひめこ)と言うことが多いようです。こういうのは地方ごとに違う呼び名があるかもしれません。
これは背中から見た写真ですが、右が形蚕、左が姫蚕です。姫蚕でも気門(息をするところ)には色がついてたりしますから、アルビノというわけではなく、単純に模様の違いだと思います、たぶん。
お蚕さんは家畜(家蟲と言うべき?)なので、良い性質が出るようにかけあわせて品種改良されています。蚕糸試験場のようなところから買ってきた蚕種(卵)からは、だいたい同じ模様の蚕が生まれてくるようです。
でも、その蚕を交尾させて二代目を作ると、別の模様の蚕が生まれてくる確率が増えます。きっと遺伝学的にどーのこーのという難しい理論が働いて先祖返りしてしまうんでしょうね。模様が違っちゃうということは、繭の質なんかも厳密に言うと親の性質をひきついでいないと思います。メンデルメンデルランランルー。
なお、呼び名が姫だからといってメスというわけではありません。性別に関係なく姫蚕だったり形蚕だったりします。