趣味の盆蚕

「しゅみのぼんかいこ」とは、盆栽を楽しむように小規模に養蚕を楽しむという意味で、ブログ筆者の造語です。略称は「ぼんさん」

お蚕の種はどのくらい保存できるか

 そもそもお蚕さんの種(卵)には二種類あります。一、二週間後に孵化してしまう非休眠卵と、冬を越さないと孵化しない休眠卵です。春〜夏に育てたお蚕の卵は一、二週間で孵化してしまいますが、秋に育てたお蚕の卵は冬を越さないと生まれてきません。

 

◎蚕の休眠卵と非休眠卵 - 新・珍獣様のいろいろ

http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1435

 上記の記事はわたしが自宅サーバでやっている別のブログですが、冬ごしする卵と、しない卵の見た目の違いがわかる写真を掲載してあります。

 

 ここでは冬を越さないと孵化しない卵のことを書きます。

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 お蚕の卵は紙の上に産み付けさせて冷蔵庫で保管します。乾燥すると死んじゃうことがあるので、ビニール袋かなんかに入れておいたほうがいいかもしれません。うちでは去年、ビニール袋には入れず、紙の箱に入れて冷蔵庫の野菜室に放り込んでおいたのですが、わりと大丈夫でした。

 冷蔵庫に入れなくても春になるまで生まれてきませんが、ほっとくと餌になる桑が芽吹く前に孵化してしまうことがあるので、充分に暖かくなるまで冬だと思い込ませておかなきゃならないのです。冷蔵庫がなかった時代も涼しい岩穴なんかで保管したらしいですよ。

 秋の卵は、翌年の春、暖かいところに出すと孵化します。だいたい六、七カ月は冷蔵庫で保管できると思います。

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 健康な卵は粒がそろっていて、中にお蚕のもとがしっかり詰まっています。こういうのはだいたい孵化するみたいです。

 

 下の写真は一昨年の秋から冷蔵庫で保管しっぱなしのものですが、粒がひしゃげているし、一部の卵は中身と卵の皮がはがれて白くなっています。こうなってしまうともうダメです。試しに暖かいところに出してみましたが孵化しませんでした。

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 卵が正確に何カ月で死んでしまうかわかりませんが、おそらく一年たたないうちにダメになってしまうんじゃないかと思います。